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  第96号 平成30年(2018年)31日発行





巻頭


ひと若(も)し  他(ひと)の過(とが)をさがし求めて

つねに怒りの  心を抱かぱ 彼の漏(まよい)は増すべし

かくして漏尽(さとり)を去ること

いよいよ  遠からん


                            (法句経 253)


◇新:法句経講義54◇

<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

 他人の過ちばかり探して、いつも怒っている人は、確かに「さとり」などには
遠い人でしょう。とは言え、そうした人は、案外身近にたくさんいるような気が
します。
 最近はずいぶん変わったと思いますが、昔の自動車教習所では、車に乗ると、
ずっと教官に叱られていた記憶があります。学校の先生にも、そんな人が結構い
るのではないでしょうか。
 夫婦の間でも、相手の振る舞いが気に入らず、細々(こまごま)とずっと指摘する
ようになったら、かなり深刻です。家は大丈夫と思っても、さてお子さんに対し
てはどうでしょう。朝から晩まで、ずっと小言を言いつづけていませんか?
 社会に目を転じても、人の過失や間違いを執拗に追求して、謝罪や退任に追い
込む風潮が蔓延しています。某週刊誌など、それを売り物にして部数を延ばして
います。国会でも、そんなことが延々と続いています。
 人の過ちを指摘する前に、自分のことをよく考えてみれば、自分も案外大した
ことはないものです。 「汝(なんじ)自らを知れ」はソクラテスの言葉ですが、
生きかたの基本は、世界共通です。


  叙 景    表紙を語る

 春の空が、乳白色に霞んで、どこまでも広がっています。
 河川敷につくられた、壊れかかったゴルフ練習場の柵にそって、細い道が続い
ています。土手の上に出たら、どんな景色に出会うのでしょう。
 今回は、江戸川の川原での一景です。春の空は、切ない別れや新たな出会いを
予感するように、シンとしています。それが何か清々しい、そんな季節です。
 今年は、身近な町の風景も取り上げていきたいと思います。



 主管所感 >

決断のとき 最後の白い山               友松 浩志


 寒い冬が過ぎた。基本的に夏より冬が好きな人間だが、今年の冬は寒すぎた。北日本や
北陸の雪も、異常なくらい多すぎた。とはいえ、私は雪が好きだ。雪が積もると、町の音
が消える。雪が音を吸収してしまうからだ。雪は音を通さない。
 その冬も、ひとりで雪の山を登っていた。前日、長い長い林道を歩いて、南アルプスの
2000メートル峰に突き上げる尾根の末端に、小さな雪洞を掘った。雪洞というのは、雪の
穴だ。一人用だから、小さな穴を掘って、上にシートをかぶせれば出来上がり。中に座り
こんで、壁を少し広げると快適になる。小さな棚をいくつか作り、寝床を広げれば、もう
立派な家みたいになる。
 日が陰り、暗くなったのでローソクをつける。雪洞の中はすべて白いので、一本のロー
ソクですべてが輝きわたる。まるで白亜の殿堂だ。そして音が聞こえない。外は吹雪でも
中は無音で、ローソクの炎さえゆれない。
 その山は、最後と決めた冬山だった。40歳を過ぎ、もうひとりで危険な冬山に行くの
は止めにしようと思った。体力の問題もある。でもそれ以上に、仕事のことや家族のこと
を考えた。もっともっと登りたい山はある。でも「おしまい」という時がくる。決めるの
は「私自身」だ。人には決断というものが必要な時がある。それは誰に言われてするもの
でもない。私か「私の生き方」を決める瞬間。そんな瞬間を、何度経てきたことだろう。
そこにいたる時間は長くても、決めるのは一瞬だ。
 次の日、朝の4時から懐中電灯をつけて登り始めた尾根は、やたら長かった。6時間余
の奮闘でようやく稜線に近づくと、雪もしまり、快適に頂上に達することが出来た。最後
の白い山、その真っ白な頂きを、今も忘れることが出来ない。


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ホームページでも発信中
真理通信の読者を少しづつ広げています。

 小紙「真理通信」も、まもなく100号となります。実際には、小形版の「真理通信」
もありましたので、120号位発行していると思います。月刊誌「真理」を昭和60年に
終刊して、神田寺・真理学園の広報紙がなくなってしまい、小部数でもいいから機関紙が
必要と考えて始めた「真理通信」でした。
 現在小紙は、神田寺の檀信徒、神田寺幼稚園・真理学園幼稚園の関係者、「真理」誌で
ご縁のあった方々などに1500部程配布していますが、一般の方の目に触れる機会は、
ほとんどありません。
 実は数年前から、神田寺のホームページが作られています。これは、以前神田寺に奉職
して下さった山梨県富士川町の明王寺ご住職・標 隆先師が、まったくのご好意で作って
下さっているものです。ホームページの中には、「真理通信」のページもあります。一部
を省略していますが、バックナンバーも気軽に呼び出せます。本紙が、一般の方々の目に
触れる貴重な機会となっています。
  「神田寺」と検索して頂くと、最初に出てきますので、是非ご覧下さい。
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仏教豆知識 74

 血脈

血脈(けちみゃく)とは、血管、血の流れのことですが、仏教ではこれを、師から弟子への
 「教えの流れ」として大切にします。師と弟子は、血縁がなくても教えを継承することで
法門を継ぐ(法門相承:ほうμそうlよう)、血脈相承(けちみゃくそうCよう)すると言います。さらに
血脈は、お釈迦様からつながっているものと考えて系図にし、戒を授ける時、弟子の名を
最後に書き加えて、師から弟子に与えることもあります。(血脈譜)
 また、一般の人が生前に法会などに参加して、「血脈」とか「戒脈」と書かれた包みを
受け取ることがあります。これは、一般の人でも法を受け継ぐものと認めたもので、その
人が亡くなると、遺骸とともにお棺に入れます。


元旦修正会に集う
 元日午後2時から、今年も修正会(しゅしょうえ)を行ないました。仏教聖歌を歌い、仏教勤行式を唱えて、新年の平安と安寧を祈りました。
 主管の講話は「代謝」のお話。「食べること」の大切さを説かれました。法話のあと、恒例の記念撮影。その後、甘酒で歓談しながら新年の抱負を語り合いました。新たな年を笑顔で始め
る、そんな一時となりました。




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    (故 友松圓諦師書)
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