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  第83号 平成25年(2013年)111日発行



巻頭


すべての行(もの)は無常なり
と かくのごとく 智慧もて知らば
彼は その苦をいとふべし
これ清浄に入るの道なり
                    (法句経 277)



◇新:法句経講義41◇
<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

 このところ、戦後活躍したスターや有名人など、次々と亡くなる報に接すると
つくづくと世の無常を感じます。若く元気だった俳優さんも、やがて年を重ね、
いつかあまり見かけなくなったかと思うと、突然訃報が報じられる。何とも悲し
い現実です。
 そんな具合に、どんなに特別に思えた人も、「無常」という道理に反して生き
続けることは出来ない。どんな人にも、どんな物にも、無常の風は吹いている。
そのことに気づけば(智慧を持って知れば)、「無常」をおそれることはない。
それこそ、真実の生き方−とらわれのない生き方への入り口ではないか、と
ここで法句経は伝えようとしているのです。
  「平家物語」に出てくる「諸行無常の鐘の響」という教えが、すでに法句経の
なかにはっきりと説かれている。つまり「諸行無常」という教えが、仏教の始ま
った頃から説かれてきた、お釈迦様ご自身の教えであったことが分かります。
 複雑に発展した仏教の教えのなかにも、その始まりの時から説かれ続けている
根幹になる教えが含まれているのです。

仏教豆知識 61

 安心

 安心というと、安全・安心といった意味で、心が安らかで不安のない状態をさす言葉で
すが、仏教ではこれを「あんじん」と読み、信仰にもとづく心の境地を表す言葉として、
とても大切に考えます。
 宗派によって、そのとらえ方は異なるようですが、浄土系の教えでは、阿弥陀仏を信じ
て、極楽浄土に往生するための心の持ち方を言います。浄土真宗では、親鸞聖人の説く教えと異なる考え方を「異安心」(いあんじん)と言います。また禅宗では「安心立命」といい心身を天命にまかせる境地をさします。この場合は普通、「あんしんりっめい」と読みます。



 主管所感 >

冬の庭に立って           友松浩志


 私の母はよく文章を書いた人で、本紙の前身である「真理」誌にも多くの随筆を残した
人です。その文章を集めた随筆集「れんげの花はまだ咲かない」は、母の三回忌に出版し
た本ですが、子どもの私か言うのも気がひけますが、随筆というもののお手本のような、
巧みな文章が並んでいます。
 英文学者の福原麟太郎という人が「随筆とは、知識でもなく、意見でもなく、叡知を人
情に溶かして語るもの」であり「個人の身の上を語りながら、人の心のなかに潜んでいる
共通点に触れて、互いの人生を楽しむ文章だ」と言っています。巧みな随筆というのは、
確かに読んでいてホロッとしたり、ニヤッとしたり、言われぬ楽しみがあるものです。
 そんな母の随筆のなかに「老いの日の為の用意をはじめる年」という文章があります。
50代後半に書いたものです。「白髪が多くなった、目は老眼になった、耳も遠くなった
舌もあやしくなった。そのうえ、たんすの上にビニールに入れたハムがある。なぜ冷蔵庫
に入れたはずのハムがそこにあるのか、まったく見当がつかない。老いの日の為に、これ
からどんな設計をしたものか、冬の庭に立って、ひよどりの声を聞きながら足もとを見つ
めている」といった文章です。
 ここのところ、子どもである私自身の現実がそうなってきました。白髪、老眼は言うに
およばず、背中に激痛が走って、救急車で病院に運ばれてみれば尿路結石。男性更年期の
証明みたいなものです。そのうえ先日、発車しようとする電車にかけ込もうとして、左足
がグキッと曲がって捻挫。しばらく足を引きずりながら歩くことになり、堂々とシルバー
シートに座ってみると、案外居心地がよくて、少し怖い。
 いったい自分は、老いに向かってどうすればいいのか。母は、年とともに良くなる、と
人に言われて「謡」を始めたのですが、私は何を始めるのか。というより、今やっている
何を続け、何をやめたらいいのか。自分の人生を設計するために、私も冬の庭に立って、
足もとを見つめています。小さな庭に、今年もひよどりの声が響いています。

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