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  第82号 平成25年(2013年)71日発行



巻頭


起くべき時に  起きず
わかき日を  怠惰(おこたり)にふけり
思惟(おもい)はよわく  思量(はかり)すくなし
かかるはげみなき者は  智慧をえ
道を知るあたわざらん
                 (法句経 280



◇新:法句経講義40◇
<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

 若き日をボヤポヤと過ごしていると、あっと言う間に時は過ぎ去ってしまうぞ
という教えは、古今東西すべての文化に共通しているものでしょう。ということ
は、若者というのは、いっでも、どこでも、ボヤボヤと時を過ごしてきた-とも
言えるのでしょう。
 この法句経では、「起くべき時に起きず」と言っていますが、「時」というも
のを知らないのが若者です。時間は無限にある、と思っているのが若者です。
だから一日寝ていても平気だし、何かの機会を逃しても、またそうした機会はくる
だろうーと先延ばしにしてしまうのです。
 勿論、すべての若者がそうなのではありません。それどころか、今では年輩の
人たちまでが、ボヤボヤと時間を使っているような気がします。怠惰にふけらず
はげみを持って毎日に取り組むことは、年令をこえて私たちすべてに求められて
います。思いを強くもって、よく考えて人生を歩むことは、いつでも大きな発見を
私たちにもたらしてくれます。80歳でエベレストの頂上に立った三浦雄一郎氏の
姿に、人生の開放の喜びを感じたのはそのためでしょう

仏教豆知識 60

 行

「行」(ぎょう‥)という言葉は、仏教では「修行」(しゅぎょう)の意味で使う
ことが多いのですが、インドで用いられたこの言葉本来の意味は、「ものをつくること」
と「ものが移りかわること」の両方だと言われます。ものは「行為」によって産み出され
る(業)、という考え方は、西洋の「すべては神がつくった」という考えに通じる考え方
ですし、一方の「すべては変化して止まらない」(諸行無常)という考え方は、きわめて
東洋的な考え方です。インドの文化には、こうした東西の両面性が隠されていることは、
とても面白いことです



 主管所感 >

生きる手がかり       友松浩志


 一休さんのトンチ話に、「このはし わたるべからず」と書かれた橋の「まん中」を、
どうどうと渡っていく一休さんの話しがあります。「橋」と「端」をかけたトンチ話で、
誰でも知っている話しです。でもこの話し、結構、仏教的に深いものがあります。
 まず、橋です。橋はこちら側から、あちら側に渡っていくものです。仏教では、こちら
岸(此岸)からあちら岸(彼岸)に渡ることを、「人生」にたとえて説きます。そして、
端です。端というのは、片方にかたよっています。右端にいたら、左側は見えません。左
端にいたら、また反対は見えません。まん中にいてこそ、両側が見えるのです。これを、
「中道」(ちゅうどう)といいます。端に片寄らない教え、それが「中道」の教えです。
 なぜ仏教で「中道」が説かれたのか。それは、お釈迦様の修行の仕方にあったと言われ
ます。お釈迦様の時代、バラモン僧は、極端な苦行を行なっていたようです。逆さ吊りに
なったり、断食したり、今でもそうした修行をする人はいますが、それだけが修行だとし
たら、それをなし遂げる人はとても少ないはずです。お釈迦様は、まずそれを否定したの
です。反対は快巣主義です。何でも欲しいままにするのが、人間にとって一番いいことだ
と考える方法。極端な人は少ないとしても、便利第一、利益優先主義は、現代人にも通じ
るものです。お釈迦様は、それもまた否定されたのです。
 苦行も取らず、快楽も取らない、そのまん中を行くというのが、仏教の教えです。だから
仏教のお坊さんは「空中浮遊」などしなくていいのです。もちろん、ぜい沢ざんまいも
いけません。物ごとを判断する時、その手がかりを与えるのが、宗教の大きな役割だと
思います。A案とB案が対立した時、多数決とか投票で、どうしてもどちらかにするのが
西洋流だとしたら、A案とB案のまん中をさぐるのがこの「中道」(middle way)の教え
です。「生きる手がかり」としての宗教に、もっと関心をもっていい時代がきているよう
な気がします。


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