かん  だ  でら
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  第81号 平成25年(2013年)3月1日発行



巻頭


聞くこと  少なきひとは
かの犂(すき)をひく  牡牛(如し)のごとく
ただ老ゆるなり  その内は肥(こ)ゆれど
その智慧は  増すことなからん

             (法句軽152)



◇新:法句経講義39◇

<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

「そんなこと知ってる」「そんなこと分かってる」と言われると、相手が子ども
であろうと大人であろうと、どうすることも出来ません。相手が子どもで、どう
しても分からせたいことがあったら、怒鳴りつけることになるかも知れません。
 ここで言う「聞くこと少なき人」には、人の意見や話しを聞かない人ばかりで
なく、学ばない人も含まれています。「学ぶ」というのは、自分の知らないこと
気づかなかったことを、自分の中に取り入れていくことです。
 自分の考えや意見をより深くしていくためには、自分を変えようとしなければ
なりません。畑を耕す牛のように、毎日同じことを練り返していたら、年をとり
肥るばかりで、本当の智慧は増えません。自分の意見を変える、自分を変えるに
は勇気もいります。牛の持たない勇気をもって、人の意見を聞き学ぶことです。
 最近、人の意見に左右されてフラフラすることを「ぶれる」と言います。確か
に「決められない○○」では困りますが、頑迷固執して石のように変わらないの
も発展がありません。人の意見を聞き、またいろいろな機会に学びながら、自分
を深め、高めていきたいものです。

仏教豆知識 59  
 「苦」(く)とは、言うまでもなく「苦しみ」のことです。「楽あれば苦あり」「苦楽を
ともにする」などと言われるように、楽しいことの反対が苦しみです。
 でも仏教では、「一切皆苦」(いっさい抽ぺ)<すべてのものは苦である>と言い、楽もまた
苦となることを説いています。お釈迦さまの最も大切な教え「四諦」(はい)は、この苦を
どう克服していくかという教えです。苦には「生・老・病・死」の「四苦」(しく)をはじめ
「愛別離苦」など「八苦」があげられます。「苦」をどう克服するかは、いつの時代でも■
私たちの最終目標です。仏教は、そのために生まれた宗教です。


 主管所感 >

人生の入口と出口       友松浩志


 人生には、入口と出口があります。言うまでもなく、入口とは「誕生」であり、出口は
「死」です。誰もがこの入口から入り、この出口から出ていきます。
 入ってきた人生の舞台で、人は、成長し、学び、働き、家庭を作り、子を育み、やがて
老い、出ていく。大成功の人生もあるだろうし、大失敗の人生もあるかもしれない。思い
通りにならないのが人生というけれど、運もあるかもしれない。いずれにしろ、その評価
は、舞台のうえでの話です。
 人生の入口と出口は、その人にはどうすることも出来ない事柄です。いつどこに生まれ
ようか、計画して生まれてきた人はいません。どこでどうやって死のうか、計画して実行
する人はいますが、そうなろう(自殺しよう)と思って生きてきた人はいないはずです。
 だからこそ、人生の入口と出口は、誰にとっても安心な幸福なものになるよう、みんな
で努力しなければなりません。不安な誕生・不安な死。幸福でない誕生・幸福でない死。
そんなものが人生の両端にひかえていたら、誰が一生懸命生きようとするでしょう。
 少子高齢化対策として、じゃんじゃん作られる保育園や老人ホーム。それも最近では、
大規模な事業所が経営するものがほとんどです。一日の大半を保育園で過ごし、仕事とし
て育てられる子ども達。老いては、家族とつくり上げた家から離れて、知らない土地で知
らない人たちと生活する老後の人生。はたしてそれが、本当に安心で幸福な人生の入口・
出口なのでしょうか。
 子どもは、親にたくさん甘えたくて、喜んで迎えられたくて生まれてくるものです。誰
が育てても同じだという理論は理論にすぎません。死を前にした人は、親しんだ土地で、
親しんだ人たちに囲まれて死んでいきたいものです。親しさに甘えて死んでいきたいもの
です。その甘えを、優しく受けとめられる社会をつくることこそが、すべての人の幸福に
つながるように思います。


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