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  第79号 平成24年(2012年)71日発行



巻頭

花びらと色と香を  そこなわず
ただ蜜味(あじ)のみをたずさえて
かの蜂のとび去るごとく  人々の住む村落(むら)に
かく牟尼(ひじり)は歩めかし
                        (法句経49


◇新:法句経講義37◇
<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

 蜂や蝶が、蜜を集めに花々を巡っていきます。蜜を吸われても、花々には何の変化
も見られません。それどころか、そうして蜂や蝶に蜜を吸われることで、花々は受粉
という、自分たちの生命をつなぐ最も大切な恩恵を受け取っています。
 僧侶たちは村々を巡り、旅を続けていきます。これを行脚(あんぎや)と言いますが、
お釈迦様の教えを広げるための大切な旅です。布教の旅ですから、良いことばかりで
はありません。時には拒絶され、石を投げつけられることもあったかも知れません。
それでも淡々と旅を続けていったのです。村の人々から何も奪わず、何事もなかった
かのように過ぎ去っていく、そんな僧侶たちの姿が目に浮かんできます。
 禅宗では、修行僧のことを雲水(うんすい)と言いますが、これは「行雲流水」という
言葉の略です。行く雲、流れる水のように一か所に留まることなく、修行の旅を続け
ていく姿を表しています。仏教の原型に戻ろうとした、禅宗の気風が感じられる言葉
です。旅の途中、どんなにつらいことがあっても負けずに旅を続けていく、そのこと
で、お釈迦様とその弟子たちに一歩でも近づこうとしたのです

仏教豆知識 57

 

 塔(とう)は、インドの古語のstiipa(卒塔婆)、thiia(塔婆)から生まれた言葉で、英語のtowerも同じ語源を持つと言われます。もとは、遺骸を埋葬して土を盛り上げた「塚」のようなものを指した言葉です。仏教における塔は、お釈迦様が亡くなられた後、その遺骨を8つに分けて各地に持ち帰り、それを中心に埋めて8つの塔が建てられたのが始まりです。その塔が信仰の対象となり、しだいに規模が大きくなって、石造りの立派なものがつくられていきました。それが中国に伝わり、寺院建築の中心になっていきます。塔の高さも高くなり(多層塔)、日本の五重の塔などの原型になります。それ、現在東京スカイツリー等の起源にもつながるものです。



< 主管所感 >

旅の恥はかき捨て?       友松浩志

 歩行者天国が復活して、神田寺のある秋葉原は、また「観光地」として完全復活(?)
した感があります。「観光地」ですから、日本全国から人が来ます。日本どころか、外国
人の数も相当なものです。いったい「観光客」が、何をしに秋葉原に来るのかは、私には
まったく不明ですが、その後始末はかなり大変です。ともかく、すごいゴミを残していく
のです。「旅の恥はがき捨て」という言葉があります。旅人は、その土地に知っている人
もないし、多少恥をかくようなことをしても、すぐ忘れられてしまうから気にすることは
ない、といった意味でしょうか。私に言わせれば、「旅のゴミは投げ捨て」ではないかと
疑いたくなります。

 旅をしていると、確かに気がゆるむことがあります。私にも大失態の記憶があります。
ある山登りの帰り、列車の中でのことです。午後の上り列車は、かなり混んでいました。
とはいえ、私と友人は、うまい具合に4人がけの座席の向かい合わせに座ることができま
した。そして、東京までの3時間余り、私とその友人は延々と積もる話しをしゃべり続け
たのです。東京が近づき、そろそろ降りる準備をする頃になって、やはり隣で向かい合わ
せに座っていた2人づれが、小さな声で「ほんとにもう、うんざりしちゃったな」と言っ
たのです。私は、ギクリとしました。この3時間、私たちは隣で静かに座っている人を、
まったく気にせずしゃべり続けていたのです。

 人は生きつづける限り、恥を重ねていくものだと言った人がいます。人は完全ではないから、失敗・失態はあって当然かも知れません。でもやはり、それは気のゆるみから生じることも確かです。自分の家の前にはけしてゴミを捨てない人が、旅先ではこっそりゴミを捨てるのです。円高のせいか、格安の旅の案内があちこちで目にとまります。それぞれの土地には、それぞれの暮らしがあることを、隣の席には、隣の人の目も耳をあることを忘れたくないものです。

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