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  第78号 平成24年(2012年)31日発行



巻頭


おのれの心を  まもり

はげみを  たのしみとすべし

淤泥(どろ)に溺れたる  象のごとく

難処(なやみ)より  おのれを  救い出だすべし

                    (法句経 327



◇新:法句経講義36◇
<※「新・法句経講義」は、巻頭ページ掲載の法句経について解説しています。>

 東日本の大震災以来、「日本がんばれ」の声は高いものの、何か沈んだ雰囲気が、
をおおっているような気がします。道路や建物は復興しても、人々の心を復興させるのは、
なかなか難しいことです。
 法句経はここで、「おのれの心をまもり、はげみを楽しみとすべし」と言っています。
今、「絆」と盛んに言われますが、家族や周辺の人々との関係を大切にすることで、
「自分(おのれ)の心」を守ろうとしているように思います。そのうえで、「はげみ」を
楽しみとしようと言うのです。
 家族や肉親を失った時、深い悲しみに落ち込んだ時、泣き嘆き悲しむだけでは
どうしようもない時があります。そうした時、案外、仕事や家事にはげむ方が、
心が落ちつくことがあります。
 泥に落ち込んで、もがき苦しむ象の姿を、お釈迦様もご覧になったに違いありません。
その象のように、自分で自分を救い出すよりほかない時もあるのです。そうした必死の努力は、
いずれ自分自身に大きな力を与えてくれます。
日本も、今そんな時間を過ごしているのかもしれません。

仏教豆知識 56

仏壇

 仏壇(ぶつだん)は、仏様をまつる棚のこと。最近は仏壇のない家庭も多いようですがご庁の家には、座敷の奥に大きな仏壇が作られていたものです。仏壇のある部屋を「仏間」と言いました。それを見て、ある外国の宗教学者は「日本の家庭には、それぞれ小さな教会がある」と感心したそうです。お寺の本堂などの仏壇は、須弥壇(しゅみだん)と言います。
世界の中心にある山、「須弥山(しゅみせん)」を模したものです。大きなものでなくても、家庭のなかに中心になる場所があることは大切なことです。居間などの棚に、小さな仏様や写真を飾ることで、家族のつながりも一層深まるように思います。



< 主管所感 >

「安心」をつくり出す社会       友松浩志

 
東日本大震災から一年、徐々に復興していく被災地ですが、人々の心の傷が癒える
のはまだまだ先のこと。東日本全体でも、相変わらず余震のような地震があちこちで
おこり、不安な気持ちはまだ消えそうにありません。
  「不安な気持ち」の反対は「安心」、やすらかな気持ちです。この「安」という字は、
女の人が家のなかにいる姿を表しています。学校から帰って、「ただいま」と言った時、
 「お帰り」と母が答えてくれた時のうれしさは、今でも覚えています。事務仕事を持って
いた母は、昼間の時間あまり家にいませんでした。家に帰って、シンとした室内でひとり
で遊ぶことが多かった私は、母がいればそれだけで、家のなかが明るく感じたものです。
それは、誰でも、どんな子でもそうなのだと思います。
 今、日本の子育ては大きな岐路にたっています。政府は「子育て新システム」と言って
全国の幼稚園・保育園すべてで、長時間保育を行なう方針を打ち出しています。その理
由は、女性の社会進出にともなう「待機児」の増加です。少子高齢化社会で、労働力が
足りないから、もっと女性に社会に出て働いてもらいたい。その間、子どもは施設でお預
かりしますというシステムです。でも、それですべての家庭が、女性が、子どもたちが
幸せになるのでしょうか。
 確かに、近年の不況で家庭の収入は減っています。夫婦で働けば、収入は増えるに
違いありません。でも、そこで増える収入より保育施設で使われる子どもひとりあたりの
経費の方がはるかに高額です。その矛盾はどうなるのでしょう。
 もちろん、子育ては女性だけの仕事ではありません。私の母も、家事以外の仕事をする
喜びを持っていました。そうした仕事と、女性にしかできない子育てが両立するシステム
こそ作られなければならないと思います。子育ての喜びを感じながら、「安心」をつくり
出していける社会、それこそが今求められていると思います。


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